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飛騨高山 奥飛騨温泉郷 福地温泉「森をひらくプロジェクト」

福地の森の全景

かつては村の養蚕を支える桑畑、その桑畑を整地した状態で購入し、その後、約50年人の手が入らなかった土地。夏に足を踏み入れた時はナウシカの腐海の森、底が抜けるのでは...
そろりと先へ進むと、風や動物たちが運んだ種により、無造作にしかし厳しい日光の争奪戦が繰り広げられ、高さ30mにもなる杉、雪や風に負け枝が折れ枯れてしまったトチノキ、地表はシダ類やクマイザサに覆われている。
50年放置された森の成れの果て、雑然としながらも不思議な力強さを感じます。

​プロジェクト発足の経緯

福地の夏の森

2020年12月、電力会社から木の伐採許可の現地立ち合いで森の存在を知る。
温泉が出るためリゾートやエネルギー系の会社に旅館、地熱発電用に土地の賃貸しを持ちかけるが設備投資が過大になること、地元福地温泉も宿泊業として競合すること、温泉に影響が出ることから断念。

2022年4月、現地で草刈り中...
木漏れ日、鳥のさえずり、川の音、森の匂い
気持ちいい、心地よい、ずっと居たい
ここをほっとくのはもったいない
みんなに心地よさを感じて欲しい
自前でやるか、​これが森をひらくきっかけでした。

この感覚をどう伝える?
この森は本当に使える?
経営的に成り立つ?
どう進めればよい?

​2023年4月、経営コンサルティング会社から(株)飛騨の森でクマは踊るを紹介される。
  木の可能性、森の可能性、地域の可能性、脈々と継承されてきた日本人の暮らしの可能性。
  そんなありふれた日常に潜む大きな可能性から、新しい価値を生み出すこと。
  それが、ヒダクマの挑戦。
一緒にやろう、森の可能性を追求しよう、直感的に決めました。

2023年7月、福地温泉「森をひらくプロジェクト」結成、活動開始
メンバー:<森主>新岐阜興業(株)、<知恵袋>(株)飛騨の森でクマは踊る<金庫番>JP コーチ&コンサルティング(株)
     <地域ボス>福地温泉観光協会、<アドバイザー>岐阜県森のあるくらし推進協議会

​プロジェクトの目的

福地温泉に隣接する森をさまざまな形でひらくことで、森林サービス産業の発掘・育成を行い、福地温泉の新たな産業や観光資源として地域の活性化を図っていきます。
具体的には福地の森を「学び、楽しみ、安らぐ」を体験できる活動の拠点とし、街で暮らし働くファミリー層や国内外の観光客を森から宿へ、宿から森へ相互に誘導し持続可能な観光や産業モデルを構築します。
さらに、森を使う人やそこで働く人々が地域コミュニティーの担い手として定着することを目指しています。

​森の概要

福地温泉の地図
福地温泉の位置

場所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷
         福地温泉地内

面積:上部森林部 9,887㎡
         有効部分 7,500 ㎡)
         下部駐車場部 762 ㎡(10 台程度)

標高:約1,000m
         積雪:12~2 月(最高約80cm)

気温:冬季-15℃、夏季30℃

インフラ:隣接道路有
               電力・通信隣接道路に有り
     福地簡易水道有り

車によるアクセス
   高山から約1時間
   東京から4時間45分
   (新宿~平湯高速バス5,300円)
   岐阜市から2時間30分
   名古屋から3時間10分
   大阪から4時間50分
   高山~平湯:高速道路延伸中

​森の様子

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スギ・カラマツの人工林やヤマグワやクリなど里山利用の広葉樹が多く過去に人為的な改変が行われた森。

地表面にはクマイザサとシダ類がそれぞれ優占するエリアに分かれています。

日光争奪戦に負けた枯れ木が新たなコケ、キノコ、若木の養分になっています。

また、熊や鹿が杉の皮を剥ぎ取ってしまい枯れそうになりながらも樹液管を伸ばし生き延びようとする木々が観察できます。

ワラビ、ゼンマイ、こごみ、ミョウガなどの山菜が多く、野生動物は鹿、猿、猪、熊の捕食や遊び場になっています。(野生動物は警戒心が強くひと気を感じると逃げていきますが、森に入る際は注意して慎重に入ることが必要です)

福地の森の動物
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福地温泉は5つある奥飛騨温泉郷の中で4番目の規模。

山の静寂につつまれた秘湯として11 軒の宿で構成され、重厚な古民家の宿が高級感を漂わせています。

訪れるお客さまは国内熟年層、欧米の個人客を中心に、コロナの落ち込みはほぼ回復。現在は若いお客さまの開拓と需要の回復に伴う働き手の確保が課題。

地元資本による小水力発電
旅館街のライトアップ飲食店の誘致など温泉街の活性化に取り組む。

夏祭りや春と秋の例祭で奉納される、獅子舞「へんべとり」(高山市無形文化財)、神楽に合わせて踊る「鳥芸」(岐阜県重要無形文化財)など伝統文化の継承を続けています。

温泉街のみなさんはとにかくまとまりが良い。
祭りごとや会議は全員で議論して決めていく。
獅子舞や神楽の練習は春の例祭前の10日間ほど子供も入って毎日練習。
福地温泉全体の落ち着いた町並み、伝統文化の継承はここから生まれるのだなと感じます。

​プロジェクトチームの活動...森と福地温泉を調べ実際に森を使ってみました

​   ↓詳細は各写真をクリック

2022.6.27 階段できた!
森に手を入れた最初の体験
まだ、プロジェクトチームもできていません。
切りひらく達成感、森と人工物の調和、森の心地よさの原体験かもしれません。

(04:29)

​森のひらきかた

これまでのプロジェクトの活動を通じて、福地の森が道路や温泉街に隣接し、アクセスが良いにもかかわらず、手つかずの自然が広がる意外性があることがわかりました。森には生い茂る木々やシダ類、山菜があり、動物たちの憩いの場にもなっています。地形が穏やかで、安心感もあります。また、静かで落ち着いた温泉宿や、伝統を守りながら新しい取り組みで地域の存続に真剣に取り組む方々と連携できる点も大きな魅力です。

プロジェクトの目的、「福地温泉に隣接する森をさまざまな形でひらくことで、森林サービス産業の発掘・育成を行い、福地温泉の新たな産業や観光資源として地域の活性化を図っていきます。
具体的には福地の森を「学び、楽しみ、安らぐ」を体験できる活動の拠点とし、街で暮らし働くファミリー層や国内外の観光客を森から宿へ、宿から森へ相互に誘導し持続可能な観光や産業モデルを構築します。
さらに、森を使う人やそこで働く人々が地域コミュニティーの担い手として定着することを目指しています。」

目的に賛同し、森を見てみたい、このプロジェクトに関心がある、こんな使い方をしたい、この森でこんな体験がガイドできるとお考えの方は、新岐阜興業の大橋までお問い合わせください。プロジェクトチームのメンバーもサポートします。


今後は森を使いたい方々に森の使い方、整備方針、利用料金、福地温泉との連携などをヒアリングしながら、下記の方向性をプロジェクトメンバーで検討し、より良い森のひらき方を具体的に決めて実行する予定です。

ひらき方①<森から宿へ:森を使いたい人によるさまざまな森林サービスプログラムの提供>
ひらき方②<宿から森へ:パッケージ化されたプログラムを提供する森のCafe>
プログラムは福地の森で「学び、楽しみ、安らぐ」を大切にします。

ハード整備
①危険な木を無くしもう少し歩きやすく道を整備し安心して森に入れるよう整える。(日あたりが良くなり森も元気になります)
②活動の拠点として、お手洗い、更衣室、道具置き場、駐車場を整備する。

道具番屋正面_20240906_edited_edited.jpg
道具番屋斜左_20240906_edited_edited.jpg

​活動の拠点「道具番屋」のイメージ

​今後の予定

2024.9~11月   ※森を使いたい方々によるフィールド見学会の実施
2024.9月          ※フィールド整備(危険木の伐採・枝打、遊歩道、階段整備、駐車場整地)
2024.10月       「岐阜県 森フェス」奥飛騨プログラムとして「森づくり」有料プログラムの実施
2025.3~5月     フィールドの拠点施設となる「道具番屋」を駐車場脇に建設
                       (トイレ、更衣室、道具置き場、受付、Café、管理人室、駐車場)
2025.6月          営業開始(森林サービスプログラム、森のCafe、企業の福利厚生サービスをスタート)

※岐阜県森林活用ビジネス創出支援事業補助金の対象
 

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